林檎の苗木に堆肥を与えることにしました。
今回撒くのは、飯綱町の終末処理場で、
農業集落排水汚泥を堆肥化したもの。
要するに
人の屎尿なのです。
専用の機械で固形化したあと、3ヶ月ほど発酵させたもの。
初めて使うもので、効果が未知数なので、実を成らせる樹にはまだ使えないけど、
人の屎尿を還元するのは言うなれば究極の循環型農業なので、
今後の可能性を探る意味の試験を兼ねてトライです。
今は石ころみたいな大きさで固まっています。
臭いはほとんどしません。
窒素とリン酸がほぼ等量で、カリは少なめだとか。
以下は余談になりますが、
家畜糞堆肥を大量に畑に入れて、
循環型農業と言ってみても、
糞のもとになっているのはほとんどが
輸入飼料。
つまり
海外で作ったものを、日本の農地に還元しているということです。
「世界規模の循環だ!まさにグローバル!」
と言いたいところですが、基本的に日本に入ってくる一方通行なので、
循環とは言い難いですね。
「だから人の屎尿堆肥を!」
というわけではありません。
現実に大量の家畜糞尿が存在するわけですから、
何とかしなければならないわけですし、
そもそも
人の食べてるものも60%は海外産ですから。
一般に、
畑10a当たり堆肥2t、あるいは1u当たり2kgの堆肥を入れるよう指導されていますが、
実はこれは肥料学的根拠があるわけではなく、
ただ
国内の家畜糞の総量を国内の総農地面積で割ったもの、
つまりは
日本国内で生み出される家畜糞を畑に投入することで処理するためには、面積当たり上記の量を投入しなければならない、ということらしいです。
海外の養分をどしどし日本に持ち込んでいるわけですから、
これを続けていると、どんどん日本の大地は
富栄養化していくわけです。
これに関しては、複雑な問題なのでこれ以上は言及しませんが、
話を元に戻して、何故、人の屎尿堆肥にトライしてみるかというと、
輸入が思うようにいかなくなった時に、必要な肥料養分を確保するためには、
人の屎尿を利用するしかないのではと考えるからです。
江戸時代がそうであったように。
そういう日が来ないことを願ってはいますが。